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十勝川温泉笹井ホテルの濃厚なモール泉

北海道の十勝平野、世界的にも珍しい植物性の温泉が湧き出る十勝川温泉へ行ってきました。 今回泊まったのは、創業から長い歴史を持つ老舗の十勝川温泉 笹井ホテルです。

名物のモール泉をじっくり楽しむために宿泊で利用したのですが、温泉の泉質はもちろん、お風呂のバリエーションや食事まで、想像以上にゆったり満喫できるお宿でした。

静かな夜の大浴場と濃厚なモール泉

笹井ホテルでは日帰り温泉も営業していて、夜の21時まで受け付けています。 そのため、今回は日帰りの利用客が落ち着いた夜の22時頃を見計らって大浴場へと向かいました。

平日に宿泊したこともあって狙い通り浴場内はとても空いており、広い大浴場の中に自分ひとりだけになる贅沢な瞬間もあったほどです。人の気配が少なく、静かに湯の流れる音だけが響く空間は、温泉好きにとってはたまらない時間帯でした。

大浴場は男湯と女湯が日替わりで入れ替わるシステムになっています。 この日利用した浴室は、真ん中に大きな円形の主浴槽があり、端のほうにジェットバスと水風呂が配置されている造りでした。洗い場は両端の壁沿いにそれぞれ10席ほど、合計で20席近く並んでいるので、よほど混雑する時間帯でなければ洗い場待ちになる心配はなさそうです。

ホテルということもあって、アメニティ類はとても充実していました。 洗い場には定番の馬油シャンプー、トリートメント、ボディソープがしっかり備え付けられているほか、炭洗顔フォームや角質を落とすピーリングジェルまで置かれていました。ただ、体を洗うためのボディタオルだけは浴室に用意されていないので、持参していくと体を洗うときに重宝すると思います。

お湯は琥珀色を通り越して、底が見えないくらい濃い茶褐色の植物性モール温泉です。 浴槽に足を踏み入れると、思っていたよりも深さがあって驚きました。底が完全に見えないため、足元を手探りで確かめながらゆっくり入るのが安心です。また、モール泉特有のぬめり成分があるため、浴槽の縁や床が少し滑りやすくなっています。歩くときは少し慎重に進んだほうが良さそうです。

以前訪れた北広島の里の森 天然温泉 森のゆでも心地よいモール泉を堪能しましたが、笹井ホテルのお湯も入った瞬間から肌にしっとりと吸い付くようなツヤツヤ感があり、温泉の質の高さを肌で感じました。

お湯の温度は比較的ぬるめに設定されていて、露天風呂が最高でも42℃くらい、内湯はそれよりも1℃ほど低いぬるめの湯加減です。熱すぎないため、のぼせることなくじっくりと長湯を楽しめました。

心地よいジェットバイブラと90度のサウナ

お風呂の中で一番気に入ったのが、細かな泡がボコボコと心地よく湧き出ているジェットバイブラ泉でした。 円形のメイン浴槽で足を伸ばすのも気持ちがいいのですが、このバイブラの浴槽は細やかな気泡が全身を包み込んでくれて、旅の移動で凝り固まった背中や腰がじんわりとほぐれていくような心地よさがありました。気づけばこの浴槽ばかりに浸かっていた気がします。

露天スペースに出てみると、少しこぢんまりとした空間ながら外の空気を吸いながら温泉に浸かることができます。そしてその一角には、1人専用の陶器風呂が2つ並んでいました。 露天風呂自体には入れるのですが、この1人用の陶器風呂は人気があって2つしかないので、先客がいると少し待ち時間が発生するかもしれません。そんなときは露天や内湯のジェットバイブラで気長に体を温めつつ、陶器風呂が空いたタイミングを見計らって滑り込むのがおすすめです。

なお、浴室内に休憩用の椅子は置かれていませんでした。 湯上がりに体を休めたいときは、露天風呂のスペースに用意されている2脚の椅子を使って外気浴を楽しむ形になります。夜の澄んだ北海道の風に当たりながらの外気浴は、熱を持った体にとても気持ちが良かったです。

サウナ室は約90℃の設定で、しっかりと熱さを感じる温度帯でした。 入り口付近のカゴから自分でタオルマットを取って座面に敷くセルフスタイルになっています。サウナ内の床面も結構熱くなっていたので、混雑していなければタオルマットを2枚重ねにして敷くと、足やお尻の熱さを気にせず快適に過ごせそうです。

更衣室には脱衣カゴのほかに鍵付きのロッカーもしっかり用意されているので、部屋の鍵や貴重品の保管も安心でした。洗面台にはドライヤーが5台ほど設置されており、化粧水やヘアトニックも揃っていたので、ほぼ手ぶらで大浴場に行っても困らないのがありがたかったです。

広々としたコンフォートツインと配慮された設備

今回宿泊したお部屋は、洋室のシングルベッドが2台置かれたコンフォートツインでした。一般的なビジネスホテルと比べると全体的にゆとりがあり、2人で荷物を広げて過ごしても窮屈さを感じない広さです。

笹井ホテルのコンフォートツイン客室

画像引用元:十勝川温泉 笹井ホテル 公式サイト

室内は居室部分と水回り部分が扉で分かれている1Kのような間取りになっていて、廊下や水回りの音が寝室に届きにくく、落ち着いて過ごせる工夫が感じられました。トイレにはしっかりとした手すりが設置されていて、バリアフリーへの配慮も行き届いています。お部屋の詳しい間取りやタイプについては、笹井ホテルの客室案内にも載っています。

部屋の中で地味に便利だったのが、化粧用の手鏡が用意されていたことです。洗面台まで行かなくても机で身だしなみを整えられるのは助かりました。エアコンも部屋ごとに個別の空調になっていて、好みの温度に自由に設定できます。

少し注意が必要な点としては、部屋のドアがオートロックではなく昔ながらの物理キーになっているところです。出かけるときは鍵の閉め忘れに気をつける必要があります。また、コンセントの位置がベッドから絶妙に離れているため、横になりながらスマートフォンを充電したい人は、少し長めの充電ケーブルを持参していくのがおすすめです。

笹井ホテルの広々としたロビー

館内全体の雰囲気としては、創業の歴史を感じるクラシカルな部分を残しつつも、隅々まで綺麗に清掃と管理が行き届いている印象でした。ロビーはとても開放的で、あちこちにゆったり座れるソファや椅子がたくさん配置されているため、湯上がりの待ち合わせや休憩場所に困ることもありません。お子さん連れでも過ごしやすいようにキッズスペースも用意されていました。

王道をゆく夕食バイキングと名物の朝食フレンチトースト

旅行のもう一つの楽しみである食事は、朝夕ともにバイキング形式でした。

笹井ホテルの夕食バイキング

夕食は変に気取った創作料理ばかりではなく、揚げたての天ぷらやジューシーなステーキ、新鮮なお刺身など、王道をゆくメニューがずらりと並んでいて大満足の内容でした。どれも出来立てで美味しく、ついつい何度もおかわりを取りに行ってしまいました。また、お酒を飲む人には嬉しい90分1,500円からのアルコール飲み放題も用意されており、温泉宿の夕食としてはかなりコストパフォーマンスが良いと感じます。

朝食バイキングで特に印象的だったのが、シェフが目の前で一枚ずつ焼き上げてくれる名物のフレンチトーストです。外は香ばしく中はふんわりトロトロで、焼きたての温かさがたまりませんでした。 さらに自分で好みの具材を盛り付けて作る特製の豚丼コーナーもあり、あっさりした朝ごはんが食べたい人から、朝からしっかりエネルギーを補給したい人まで満足できる充実ぶりでした。

チェックアウト前には1階の売店にも立ち寄りました。 売店には可愛らしい「ひげまんじゅう」のぬいぐるみが並んでいたり、番頭さんの格好をしたシマエナガの缶バッジが売られていたりと、思わず手に取りたくなるグッズがたくさんありました。今回はシマエナガの缶バッジと、自宅でもあのしっとり感を味わいたくてモール泉の入浴剤を購入しました。

濃いモール泉のお湯と、落ち着ける空間、そして美味しいバイキング。気取らずにのんびりと温泉旅行を満喫したいときには、とても居心地の良いホテルでした。日帰り入浴や宿泊プランの詳細は、十勝川温泉 笹井ホテル 公式サイトで確認できます。

施設概要詳細情報
施設名十勝川温泉 笹井ホテル
泉質植物性モール温泉(ナトリウム - 塩化物・炭酸水素塩泉)
所在地北海道河東郡音更町十勝川温泉北15丁目1
日帰り入浴時間13:00〜21:00(最終受付 20:00)
日帰り入浴料金大人(中学生以上) 1,300円 / 小人 500円(税込)
大浴場設備円形主浴槽、ジェットバイブラ泉、露天風呂(陶器風呂)、サウナ、水風呂

濃い茶褐色の湯に、浸かる。