自宅のデスクトップPCのデスク周りには、2、3年ほど前から薄い黒い板がひとつ転がっています。株式会社ミヨシのBluetoothタッチパッド、TTP-BT02です。
もともと普段の作業用にはエレコムの大きなトラックボールマウス(HUGE)を愛用していて、画面のスクロールもカーソルの移動も基本的にはそちらで十分事足りています。デスクの上には以前導入した UGREENのKVMスイッチ なんかもあって、機器類はそれなりに充実しているのですが、ふと「ノートPCのあの指先だけで操作する感覚を、デスクトップでも使えたら楽なんじゃないか」と思い立ってポチったのがきっかけでした。
正直なところ、デスクトップPCを使っていてタッチパッドが絶対に必要になる人というのは、世の中にそこまで多くないような気がします。実際、私の環境でも毎日朝から晩まで触り倒しているわけではありません。それでも手放さずに机の上に置き続けているのは、キーボードを叩く気力すら湧かないような、だらだらとした時間に驚くほど馴染むからです。
たとえば夜にデスクの椅子に深くもたれかかって、YouTubeの動画をぼんやり眺めているとき。重たいトラックボールマウスにわざわざ手を伸ばしてカチカチやるよりも、膝の上や手元に引き寄せたタッチパッドの上を指先でサッと滑らせるだけのほうが、圧倒的に脱力できて快適だったりします。
Windowsの設定で快適にする
このTTP-BT02を気に入っている大きな理由のひとつが、単4形乾電池3本で動くという点です。
最近のガジェットはどれもこれも内蔵バッテリー式で、USBケーブルを繋いで充電するものばかりですが、たまにしか使わない機器に限って「いざ触ろうとしたらバッテリーが空っぽ」という憂き目に遭いがちです。その点、乾電池式なら使いたいときに電池を入れっぱなしにしておけばいつでも動きますし、万が一電池が切れても買い置きの単4電池を入れ替えるだけで一瞬で復活します。充電用のケーブルがデスクの上を這わないのも、机をすっきり保ちたい身としてはありがたいところです。
本体は奥側が少し高くなっていて手前に向かって緩やかな傾斜がついており、操作面の幅も約155mmとかなり広々としています。パッドの上部には「進む」「戻る」といったショートカット用のタッチボタンがうっすら用意されているのですが、私の場合はそうした固定ボタンはほとんど触りません。すべて指のジェスチャー操作で済ませてしまいます。
特にWindowsの「高精度タッチパッド」に対応しているおかげで、OS側の標準設定から指の動きに細かくショートカットを割り当てて、自分好みに使い勝手を快適化できるのが実に便利です。私の環境では、以下のような設定にして日々のブラウジングを省力化しています。
| ジェスチャー | 割り当てている操作 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 3本指タップ | Ctrl + W | ブラウザのタブを閉じる |
| 3本指スワイプ | タブの切り替え | 開いているタブの移動 |
| 4本指タップ | Alt + F4 | アプリケーションの終了 |
| 2本指スワイプ | 垂直・水平スクロール | ページの流し読み |
Chromeでネットサーフィンをしている最中に、不要になったタブを3本指でトンと軽く叩くだけでパッと閉じたり、3本指のスワイプで次々とタブを移動したりできる感覚は、一度慣れてしまうと手放せなくなります。手首をほとんど動かさずに指先を弾くだけでウィンドウが整理されていくのは、トラックボールマウスでの操作とはまた違った身軽さがあります。
詳しい製品情報やサポートの仕様については、周辺機器を幅広く扱っている 株式会社ミヨシ 公式サイト にも掲載されています。
ペンタブ代わりにはならなかった
そんな具合にライトな操作デバイスとしては満足しているのですが、ここ最近になってちょっとした葛藤も生まれています。
ChatGPTなどの画像生成AIを使って画像を作ったり、仕事でCanvaやFigmaを触ったりする機会が増えてきたのですが、そうしたツールで「ちょっとフリーハンドで文字や印を書き込みたい」という場面がちょくちょく出てくるようになりました。
そうした作業のとき、大玉のトラックボールマウスで文字を書くのは至難の業ですし、このタッチパッドの上を指の腹で擦って書くのも線がふにゃふにゃになってしまい、なかなか思い通りの線が引けません。「それなら、スマホ用のタッチペンを買ってこのタッチパッドの上で走らせれば、簡易的なペンタブみたいに使えるんじゃないか」と考えました。
善は急げと何本か適当なタッチペンを調達して試してみたのですが、結果は見事なまでに完全な無反応でした。画面のカーソルはピクリとも動きません。
なぜ反応しないのか不思議に思って調べてみたところ、このタッチパッドは人間の指の太さや接触面積を前提とした静電容量の検知を行っているため、一般的なペンの細さでは指として認識してくれない仕組みになっているのだそうです。つまり、構造上どうしてもペンタブや液タブの代用品としては使えないというわけです。
ペンタブを新しく買い直すほどの熱量があるわけでもないですし、ペンタブについてはまたそのうち考えればいいかな、くらいの軽い気持ちでそのまま使い続けています。指先でサッとスワイプしたりタブを閉じたりする分には今でも十分快適ですし、しばらくはこの黒い板にお世話になりそうです。
指先だけの気楽な操作